生活保護法63条による医療費10割返還問題

こんにちは、伊藤です。長らく投稿をしていませんでした。
最近は、成年後見にも力を入れています。
先日受任した、成年後見案件でのお話です。
脳梗塞で倒れて救急搬送され、入院した対象者が、意識がはっきりしない状態となりました。
対象者の資産状況が分からず、お金を動かせる者がいないため、取り急ぎ職権で生活保護決定をして、生活費と入院費を賄う状況となりました。
国民健康保険法上、生活保護受給者は国保に加入できないため、生活保護決定と同時に、国保は脱退となり、医療費は10割負担となります。
その後、市長申し立てにより、法人が成年後見人に就任し、私はその担当者となりました。
成年後見人として対象者(以後被成年後見人という)の資産を調べたところ、十分な資産があることが分かりました。
すると今度は生活保護法63条の規定(生活保護を受けている者が十分な資産を持つことが判明した場合、保護費を返還すべし、という規定がある)が発動し、受けていた生活保護費をすべて返還する義務が発生します。
ここで問題になるのが、生活保護を受ける時点で国保から外されるので、医療費を10割で返還しなければならないことです。入院の医療費10割というと・・すごい額なんですよ。
以前より、そのような運用となっていましたが、これには理不尽な印象がぬぐえず、問題視されてはいたようです。
令和2年には、これを違法とした判決も東京地裁で出ており、今回の件も、市の決定プロセスに疑問点があるので、不服申し立てをしていこうと考えています。
そもそも、これは法制度設計上の失敗であると思うので、法改正や、その他の行政制度設計で改善して欲しいところです。国、行政の仕事だと思うのです。


